ポイント…その1
手早く洗う(研ぐ)
3カップのお米なら2~3分で洗い終えましょう
お米を洗う(研ぐ)のは、お米についているぬかや汚れを落とすため。まず、お米に水をいっきに注いだら、底のほうから手早く静かに2~3回かき混ぜ、水を捨てます。次に、手のひらのつけ根の部分でお米を押すようにして、シャッシャッと数回研いで水を注ぎ、濁った水を捨てます。これを2~3回繰り返し、ざるにあげます。洗い始めてから終わるまで、3カップのお米で2~3分。のんぴりしていると、ぬかが溶けた水をお米が吸い、ぬか臭いごはんになります。
力を入れて洗わなくてもだいじょうぶ
米を洗うことを研ぐ、というように、昔は、お米とお米をすり合わせ、みがくようによく洗いましたが、精米技術が進んだ現在は、力を入れて洗う必要はありません。1カップくらいの少量のお米は、両手にはさんでこすり合わせるようにすると、洗いやすいでしょう。でも、間違っても泡立て器などは使わないようにしてください。お米が砕けてしまいます。また、洗うのが冷たいからと湯沸かし器の湯などを使うのは禁物です。お米のでんぷんが溶け出て、いくら洗っても湯は澄んだ状態になりません。
ポイント…その2
夏は30分、冬は1時間の浸水がベスト
浸水時間は、暑い時期は短く寒いときは長くしましょう
洗って水けをきったお米を内釜に入れたら、水を加えて家族の好みの炊き加減にセットして、表面を平らにならし、このまましばらくつけておきます。このときの浸水時間が2つ目のポイントです。ごはんをおいしく炊き上げるには、お米の芯までじゅうぶんに水を浸透させなくてはなりません。季節によって水温や気温に差があるので、浸水時間を加減します。目安としては冬は1時間、夏は30分、春と秋はその中間と覚えておきましょう。水温や気温が高いほど早く吸水するので、浸す時間は短くてすむのです。
浸水時間は長すぎてもよくありません
吸水が足りないと、熟が加わっても、お米のでんぷんがじゅうぶんに柔らかくならないために、ふっくらと炊き上がらないことがあります。かといって、浸水時間は長ければよい、というわけではありません。水を吸いすぎたお米は、べたっとした水っぽいごはんになります。
急ぐときにはこんな奥の手が
浸水時間がない場合でも、おいしいごはんをあきらめることはありません。水ではなくぬるま湯で炊くと、吸水が早くなってじゅうぶんおいしく炊き上がります。このとき10分位浸水させると、いっそう効果的です。
ポイント…その3
蒸らし終わったら、必ず混ぜる
味のムラをなくして、おいしいごはんが食べられるように
ごはんは、炊いたあと蒸らしますが、現在の炊飯器の多くは、これを自動的にしてくれます。ごはん炊き名人への最後のチェックポイントは、蒸らし終わったごはんを、上手に混ぜることです。炊飯器の中のごはんは、場所によっていしさに多少ムラができるので、混ぜて味を均一化するためです。また、混ぜることによってごはんの余分な水分がとぴ、おいレいごはんを表現するときに使われる「お米が立った」状態になります。
ごはんの上下を入れ替えるように混ぜましょう
まず、しやもじを、ごはんの周りにぐるりと入れ、ここから、ごはんを返すように、まん中に向かって手早く混ぜ、ごはんの上下を入れ替えます。しやもじは必ずぬらし、ごはん粒をつぶさないように切るような感じに混ぜるのがコツです。すぐ食べずに保温する場合も、必ず混ぜておきましょう。そのままでは、逃げ場がない蒸気がこもって、ごはんが水っぽくなったり、固まったりします。
究極の名人を目指してポイントをもうひとつ
以上の3つのポイントを守れば、立派なごはん炊き名人になれますが、さらに上を目指すなら、炊き上がったごはんを木のおひつに移し替えてみましょう。木肌がごはんの水分をほどよく吸収して、いっそうおいしいごはんが味わえます。